「気の抜けた夏」というプレイリストを作った。誰にも見せるつもりはない。見せるつもりはないけれど、ほらいいだろと自慢して回りたい。嘘はつかない。ウーロンハイが飲みたい。飲みたいが二日酔いに弱い。困った。
なぜあんなに甘い、ウーロンハイ。俺の行くような店だったら、そんなに上等な焼酎を使っているわけでもないだろうに。氷の溶け方までどこか愛らしさがある。琥珀色の冷たい少しとろみを帯びた我らがウーロンハイ。ああウーロンハイ。くっと傾けたら喉をつるりと滑っていく優しい味の奥から、つんと鼻をぬけるアルコールのつよさと白い花が咲くような茶葉の香り。ついまた一口と手が伸びて、気づいた時には手遅れになっている。そしてまた次の日がむだになる。そうだ、お好み焼きと一緒が良い。もんじゃはいらない。焼きそばはどうしよう。コカ・コーラのロゴの入った、ドリンクバーと同じプラスチックのグラスでいい。細かい白い氷をぱんぱんに詰めて、薄いのでいいから持ってきてくれ。バターコーンなんか頼まないでくれよ、イカ焼きならいいよ。アイスは…帰りにしよう。
居酒屋は好きなのに二日酔いに弱くて、夏夜は好きなのに身体が汗でべたつくのがいやで、だからいっそ早いこと城を構えて、料理のできる友達を呼ぶか自分がはちまきを巻くかすればいい。がんばって揚げ出しやら焼き茄子やら出したりして、結局デパ地下で買って来たよだれ鶏だけ先になくなっている。やっぱりこの時もウーロンハイだ。どうせ酒が入ると好い気になって夜深くに外へ出る。それでスケボーの群れがアスファルトを駆る音にびびってなんとなく黙ってしまう。部屋に戻ったらまた好い気になって、誰かが自分のネトフリにログインして見飽きた映画をかけ始めたりする。グラスは汗をかいて触れるのもいやで、誰かがいれてくれた熱いお茶がおいしく感じる。
それでまんまと寝過ごした朝は、ソファのへりに痛めた首をさすりながらばりばりと氷を割って、大きな鍋に湯を沸かして、何束も何束も素麺を茹でたらいい。薄く切った胡瓜を酢と唐辛子で揉んで。箸の色なんか揃っていなくていい。ただ、朝食のときぐらいはクーラーをいったん切って、朝の空気を取り込んだ方がいい。どうせすぐにうだってまた閉めきるんだから、気を悪くしないでもいい。ぶらっと財布だけもってつっかけに家を出て、最寄りに送った帰りには本屋だ。入ったら難しい顔に見て回るふりをしながらきんきんに涼んで、日の高いうちから銭湯の一番乗りをして、紀ノ国屋で翌朝のパンとしなびた天丼を買って帰る…何の話をしているんだ俺は。
皆のウーロンハイの相棒はなんですか。LINE待ってます。
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